Header Bidding(ヘッダービディング)とは?基礎をQ&A形式で解説!
メディアが広告による収益性を向上するための標準装備とも言えるHeader Bidding(ヘッダービディング)について解説します。
Header Bidding(ヘッダービディング)の基本
Header Bidding(ヘッダービディング)の仕組みは?
その名のとおり、ウェブサイトのHEADタグ内にHeader Biddingを動かすためのJavaScriptを実装することで、広告を表示する仕組みです。アプリの場合はSDKを実装します。これにより、複数のSSPでオークションが行われ、最も入札額の高かった広告が配信される仕組みです。
インターネット広告の黎明期には予約型広告と呼ばれるあらかじめ単価が決まっていた広告を配信していましたが、その後、複数のDSPでオークションが行われ、SSPから広告が配信されるようになりました。現在は、Header Biddingという技術によってさらに進化し、複数のDSPでオークションが行われた後に複数のSSPでのオークションが行われています。
Header Bidding(ヘッダービディング)で行われるオークションとDSP-SSP間で行われるオークションの違いは?
Header BiddingはSSPやADNWが参加するオークションです。このオークションの特筆すべきは、圧倒的な市場シェアを誇るGoogle Adxも他のSSPと横並びで入札が行われる点です。
Header Bidding(ヘッダービディング)を実装するために必要なものは?
アドサーバーとHeader Bidding Wrapper(ヘッダービディングラッパー)が必要です。アドサーバーは主にGoogle Ad Managerが使われます。Header Bidding Wrapper無しでHeader Biddingを実装可能なSSPやADNWもありますが、Header Bidding Wrapperを使った方がより多くのSSPやADNWをオークションに参加させることができます。
Header Bidding Wrapper(ヘッダービディングラッパー)とは
Header Bidding Wrapper(ヘッダービディングラッパー)とは?
各Bidder(Header Biddingへの接続事業者)をまとめて(Wrap)実装する仕組みです。
Header Bidding Wrapper(ヘッダービディングラッパー)の種類はどんなものがある?
主に以下のものがあります。
- Prebid.js:オープンソースのWrapperで誰でも利用可能。クライアントサイドでHeader Bidding実施。
- Prebid.server:オープンソースのWrapperで誰でも利用可能。サーバーサイドでHeader Bidding実施。
- TAM:Amazonが提供。サーバーサイドでHeader Bidding実施。
- OpenBidding:Googleが提供。サーバーサイドでHeader Bidding実施。
Header Bidding(ヘッダービディング)導入と運用
Header Bidding(ヘッダービディング)導入で広告単価は上がるのか?
上がります。Google Adxだけを配信している場合と比べ20%以上の単価上昇が見込めます。広告の収益性を上げるためには、導入は必須といえるでしょう。Google Adsenseだけを導入していて、Google Ad Manager(Google Adx)の導入を考えているメディアや、Google Ad Mangerを導入済でHeader Biddingを導入していないメディアは迷わずHeader Biddingを導入することをオススメします。
Header Bidding(ヘッダービディング)導入は難しいのか?
導入するだけならそれほど難しくはありません。ページのHEADタグ内にJavaScriptを埋め込む程度の作業で導入は可能です。
ただし、Header Biddingの効果を最大限発揮する為には、アドテクノロジーに精通したノウハウと日々変化する市場動向への対応が必要となります。
Header Bidding(ヘッダービディング)の効果を最大化するノウハウとは?
Header Biddingを使いこなすためには多くのノウハウが存在します。
例えば、事業者接続数やフロアプライスの設定とその最適化、広告表示やコンテンツ表示速度の改善、メディアが持つデータの活用などです。また、Header Bidding Wrapper自体が日々進化している為、新しい技術の検証や導入も必要となります。
Header Bidding(ヘッダービディング)導入でページ表示速度が遅くなる?
理論的にはオークションに参加する事業者が多いほど、単価が上がる可能性は高まります。一方でオークションに参加する事業者が多いほど、広告やコンテンツの表示速度が遅くなります。そこで広告やコンテンツの表示速度を早くするための設定やチューニングが必要になります。
Header Bidding(ヘッダービディング)導入にはどのくらいの期間が必要か?
国内で配信可能な十数社のBidder(入札事業者)との契約を締結し、接続するだけでも多くの労力と時間を要します。後からBidderを追加することも可能ですが、Bidderが揃って効果が最大化するのに半年から1年ほどかかる場合もあります。
短期間で多くのBidderが接続されたHeader Biddingを導入するには外部の事業者に任せるという選択肢もあります。その場合1~2か月での導入が可能です。
Header Bidding(ヘッダービディング)導入や最適化を任せる事業者を選ぶ際のポイントは?
Header Biddingの導入をサポートするだけでなく、Header Biddingの接続事業者数、Header Biddingの効果を底上げするフロアプライス最適化を枠別やOS別、日別で出来るかどうか、広告やコンテンツの表示速度やコアウェブバイタル等サイトのユーザビリティやGoogleのサイト評価も考慮したメディア運営のノウハウを持っているかどうか等は重要なポイントです。