メディアマネタイズの注意点!Google確認クリックによる収益下落の危険性

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Google確認クリックとは何か?

Confirmed click - rectangle

画像参照元Googleヘルプ:https://support.google.com/admanager/answer/10025624?hl=ja

「Google確認クリック」とは、ユーザーがGoogle広告(特にAdSense、AdMob、Google Ad Manager経由)をクリックした際に、すぐに広告主のページへ遷移せず、「このサイトに移動しますか?」といった確認画面が表示される現象です。
これは、広告主のページに不審な点がある、またはユーザー体験に悪影響を及ぼす可能性があるとGoogleが判断した場合に発生します。

この仕組みが導入されると、クリックのたびに確認が挟まれるため、ユーザーの離脱が増え、CTR(クリック率)や広告収益の低下につながる恐れがあります。

特に厄介なのは、以下の点です。

  • 確認クリックが発生する明確な基準が公開されていない
  • 解除の条件も不明確である
  • メディア側の広告配置に問題がなくても、第三者配信による誤クリックなどが原因で対象になる可能性がある

つまり、メディアに非がない場合でも収益が下がるリスクがありその原因がはっきりと分からないという点が、大きな課題といえます。

本記事では、確認クリックの主な原因と対象範囲、発生時の対処法、そして予防策について解説します。

確認クリックを表示するGoogleの目的

Googleが確認クリックを表示する目的は、ユーザー保護と広告体験の品質維持にあります。具体的には、以下の3つの意図が考えられます。

1.悪質な広告や不正な遷移からユーザーを守るため

広告のリンク先に対してGoogleがセキュリティ上の懸念(フィッシングやマルウェアなど)を検知した場合、直接遷移させるのではなく、確認画面を挟むことでユーザーに注意を促します。

2.ユーザーの誤クリックによる意図しない遷移を防ぐため

誤ってタップしてしまった広告による誤遷移を防止する目的もあります。確認クリックによって「本当にこの広告を見たいか」をユーザーに再確認させることで、広告体験の品質を向上させます。

3.広告主のブランド保護

意図しない流入によって、直帰率の増加やコンバージョンの低下が起きると、広告主の満足度が下がる原因になります。確認クリックを挟むことで、質の高いクリックのみを通し、広告主を保護する役割を果たします。

このように、確認クリックはGoogleが広告の安全性とユーザー体験の品質を維持するために設けた仕組みです。しかし、ユーザーや広告主にとっては明確な保護手段ですがメディアにとっては収益面で明確にマイナス影響があるため、可能な限り発生を防ぐ工夫が必要です。

確認クリックが発生する広告の対象

確認クリックは、Googleが配信する広告(Google広告ネットワーク)において発生します。確認クリックの対象になっているかどうかの確認方法は、Google Ad Manager、AdSenceやAdMobアカウントのポリシーセンターで[ステータス]を確認します。ポリシーセンターには、確認クリックを含む、サイトまたはアプリでの広告配信に影響を与える可能性のあるすべての問題が表示されます。

確認クリックの対象となる広告配信

  • Google Ad Managerを通じたGoogle広告(Ad Exchange / Open Bidding経由を含む)
  • AdSense
  • AdMob

いずれもGoogle広告から配信される案件が対象です。

確認クリックの対象外となる広告配信

  • Google Ad Managerを通じたサードパーティーとの直接取引(例:純広告、他社SSPなど)
  • AdSense上で表示するカスタムバナーや自社プロモーションなど、Google広告以外の配信
  • AdMobメディエーションで表示される他社ネットワークの広告(例:AppLovin、Unity Adsなど)

つまり、確認クリックはGoogle広告の案件に限定されており、サードパーティーや直接取引の広告には適用されません。

確認クリックが発生したときの影響

確認クリックは、単に「ワンクッション挟まれる」だけの仕様ではありません。ユーザー行動・広告収益・メディアの評価にまで波及する、非常に深刻な影響を持っています。

CTRの低下

確認クリックが表示されると、ユーザーが広告をタップしても、すぐに広告主のページに遷移しません。
「このサイトに移動しますか?」という確認画面が表示され、ユーザーの行動が一度止まります。この時点で離脱が発生し、本来のクリック数よりも実際の遷移数が減少する。結果として、CTRが大きく落ち込みます。

広告収益の減少(eCPMへの影響)

CTRの低下に伴って、eCPMも低下します。また、広告主にとって「成果につながりにくい面(メディア)」と判断されると、以下のような悪循環が発生します

  • 入札単価が下がる
  • オークションで不利になる
  • 広告配信機会が減る
  • 表示される広告の質も下がる

結果として、一時的ではなく継続的に収益が落ち込む要因になります。

広告主側からの評価が下がる

広告主から見て「クリックされたのにCVしない(離脱が多い)」「ユーザーの質が悪い」という印象が残ると、以下のような対応を取られることもあります。

  • カテゴリやドメイン単位でのブロック
  • 入札金額の自動調整による掲載頻度の低下

つまり、確認クリックはメディアの「広告在庫価値」を下げる可能性があるということです。

確認クリックが発生する主な原因とその予防策

Googleは意図しない遷移や誤クリックなどの要素を総合的に判断し、自動で確認クリックの表示有無を制御しています。そのため、明確な発生条件や解除基準は公開されておらず、都度ログなどで検知できるものでもありません。

確認クリックが一度表示されると、CTRが下落して収益に直接的な影響が出るため、日頃からサイト設計や広告配置を見直し、確認クリックを未然に防ぎましょう。

以下では、いくつかの代表的な確認クリックになる可能性がある原因をまとめています。

①広告の遷移先がユーザーにとって価値を感じにくい

広告の遷移先がユーザーにとって価値を感じにくい・不審なUIであるなどの場合、遷移後のユーザーの離脱率が増加し、確認クリックの対象になることがあります。

例:フィッシングサイトやマルウェア疑いがあるページ

対処法

  • Google Ad Managerなどの管理画面の「ポリシーセンター」を確認し、警告や違反が出ていないかチェックする
  • 外部リンク先やリダイレクトURLに不審なドメインが含まれていないか確認する
  • Google Search Consoleの「セキュリティの問題」レポートを確認し、マルウェアや警告が出ていないか確認する
  • ユーザーからの手がかりになるような報告が来ていないかチェックする
  • 問題が見つかれば、該当する広告ユニットや接続先の広告事業者を一時的に停止する

②遷移先ページの表示に時間がかかる

広告をクリックしたあと、ページがなかなか表示されないと、ユーザーは不安・不快を感じてすぐに離脱し、離脱率が高くなる傾向にあります。

例:遷移先のサーバーが重い、画像が多くて読み込みが遅い

対処法

  • Google PageSpeed Insightsで広告リンク先の読み込み速度を計測し、スコアが極端に低い場合は対処する
  • サードパーティー広告が原因の場合は、該当するネットワークや広告形式を一時的にブロックする
  • スマホ向け広告で遅延が多い場合は、広告のフォーマットや重いスクリプトの使用を見直す

③誤クリックを誘発する広告配置

紛らわしい場所への広告配置、スクロール中にタップしやすい位置への設置など、誤クリックを誘発するUIは対象になります。

例:画像やナビゲーションの近くに配置してしまっているケース

対処法

  • 画像・動画・ボタン・リンクとの近接を避ける
    (例:記事画像の直下に広告を配置しない)
  • スクロール中の誤タップを避けるため、広告の上下に適度なマージンを設ける
  • Googleの広告配置ポリシーを再確認し、違反箇所がないかをチェックする

④コンテンツと誤認させる広告クリエイティブ

一見すると記事本文やコンテンツの一部のように見えるデザインの広告は、ユーザーを混乱させ、誤クリックを誘発する可能性があるためリスク要因になります。

例:見出し風のデザインや記事本文と一体化した見た目の広告

対処法

  • コンテンツとの混同を避けるため、広告には明確な境界線(区切りや「広告」表記)をつける
  • 自動広告を使っている場合は、手動広告に切り替えて配置を調整する

⑤広告のクリック範囲が広かったり感度が高い

視覚的にボタンやリンクに見えないエリアでもクリック判定があるような広告や少し触れただけでクリック判定になる広告は、「誤って押した」と認識されやすく、Googleのアルゴリズムで検出される可能性があります。

例:実際には押す意図がない箇所までクリック判定がある広告や少し触れただけでクリックになる広告

対処法

  • クリック領域が広すぎる広告が含まれているネットワークやフォーマットを確認し、問題のあるものをブロックまたは優先度を下げる
  • バナーやネイティブ広告など、よりユーザーが意図して押すフォーマットに切り替える
  • 不自然な動作をする広告があれば、手動でブロックをする

Googleはプレースメントポリシーを出しているので、下記で適切な広告配置の例が確認できます。
https://support.google.com/adsense/answer/1346295?sjid=16505505406879724649-NC#

確認クリック発生時の対処法

確認クリックは、対象サイト上の広告プレースメントで、意図しないクリックが発生しているとGoogle広告のシステムに判断された場合に適用されます。

意図しないクリックとは、ユーザーが広告遷移後にすぐ戻るというような離脱行動により判定されています。

またGoogleの広告品質スコアやページ評価は、以下のようなユーザー行動も含めて自動で分析されています。

  • 広告をクリックしたあとすぐに離脱した(セッション継続時間が極端に短い)
  • ページ表示前にタブを閉じた/戻った
  • 複数ユーザーで同様の行動が確認された

このような「期待した体験が得られていない」兆候が一定数蓄積すると、その広告の配信面やクリエイティブが問題視され、確認クリックが挿入されている可能性があります。

確認クリックが発生してしまった場合は、以下の「確認クリック対処フロー」の(A)〜(F)の順番で問題が起こっていないかチェックを行い、具体的な対応策を素早く講じることが重要です。誤クリックが検出されなくなると、確認クリックは自動的に解除されます。どれくらいの期間で解除されるかは公表されていないため、原因となっていそうな箇所を一つずつ解決する必要があります。

確認クリック対処フロー

(A)警告内容から原因が分かる(Googleからの指摘内容の正確な把握)

Google Ad Manager/AdSense/AdMobの管理画面上のポリシーセンターで受け取った警告内容を正しく確認する。どのプロパティ(サイトorアプリ)、どのユニットかなど警告の詳細(対象プロパティ、ユニットなど)を確認する。

(B)広告の挙動や表示に問題がある(広告配置の見直し)

誤クリックを誘発する広告配置(誘導的なボタン、スクロール時の誤タップなど)の確認と修正。

Googleが最も問題視するのは、意図しないクリックや誤クリックを誘発する実装です。これはポリシー違反に直結しやすく、アカウント停止のリスクもあります。もし思い当たるUIや実装上の不備の不備があるならばすぐに修正をしましょう。

(C)レポート上でCTRの異常がある(問題箇所の予測)

警告内容を見ても原因が予想つかない場合、アドユニット、特定のページ、時間帯、国、接続先のSSPなどから異常なCTR上昇が起きていないかを多角的にレポートを確認する。多くの場合、レポートのディメンション(分析軸)を変えることで、CTRが異常に高い箇所が見つかります。

いつの期間、どこで、どこからのトラフィックで問題が起こっていそうかを仮説立てて対策を講じましょう。

例1:特定の国からのアクセスでCTRが異常に高い場合は、その国からのアクセス自体を疑うか、その国のユーザーにとって誤クリックしやすい配置になっている可能性があります。特定のページであれば、そのページのレイアウトやコンテンツが原因と考えられます。

例2:特定のDSPからの広告配信だけが顕著にCTRが高い場合、クリックの感度が極端に高かったり、誤クリックを誘発するような粗悪なクリエイティブの案件が流れている可能性があります。接続先のSSPにブロックをお願いしたり、管理画面のブロック機能を活用して停止をしましょう。

(D)アドユニットを張り替える(アドユニットの作り直し)

レポートを確認しても問題箇所が特定が困難な場合、一度アドユニットを入れ替えてみて警告が消えるか確認しましょう。ただし、それによって確認クリックが消える場合もありますが、誤クリックとなっている原因が解決されない限り確認クリックが再度発生することもあります。そのため根本解決というより対処療法的な対応である点にご注意ください。

(E)他のアドサーバーを使用する(Google Ad Manager、AdMob、AdSenseの使用継続の検討)

警告される理由がどうしても分からず、極端に収益が下落してしまった場合、AdGenerationやMAXなど他の配信プラットフォームの検討をしましょう。プラットフォームの入れ替えは工数がかかるため最終手段です。移行後も確認クリックの警告を受けていた状態の収益と比較して、高い収益が出ているかどうかを確認して使用の継続を決定しましょう。コストに見合わない場合は、入れ替えを行わないという判断も有効です。

(F)一定期間おいて最初から検証してみる

色々対応をした結果確認クリックが続くようであれば、一旦様子を見るというのも一つの手段です。案件状況などで配信される案件が変わって、原因は特定できないものの、配信される広告案件の変化などにより、確認クリックの問題が自然に解消されるケースも少なくありません。ただし再現性がある手段ではないので、一定期間おいても確認クリックが消えない場合は、再度最初からのアプローチに戻って対応をしましょう。

まとめ

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確認クリックとは、広告クリック後にGoogleによって「このサイトに移動してもよいですか?」という確認画面が挿入される仕組みであり、そのタイミングで多くのユーザーが離脱する傾向にあります。

つまり、クリック自体は発生していても遷移数が伸びず、成果につながらないケースが増加します。その結果、広告主側からは「無駄クリックが多いメディア」と評価され、入札単価の低下やオークション上での不利なポジションに繋がり、継続的な収益減少を招くリスクがあります。

加えて、確認クリックはメディア側に明確な違反がなくても発生する場合がある点が厄介です。サードパーティーの不審な広告や、意図しない誤クリックを誘発するクリエイティブなど、些細な要素が引き金となりうるため、常にリスクは潜在しています。

したがって、こうした確認クリックの発生要因を定期的にチェックし、問題点を一つひとつ丁寧に潰していくことが、広告運用における保守管理の重要な取り組みとなります。特に、eCPMやCTRの変化に違和感がある場合は、早期にポリシーセンター等を確認し、仮説をたて原因を潰すことが望まれます。

著者(writer)
Manegica 事務局

「goo」や「dmenu」をはじめとしたメディアに対して、マネタイズ運用の支援を実施しています。長年のメディア運営によって培ったノウハウや、自社で開発したソリューションを活用し、メディア収益の最大化を実現します。

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