ウェブメディアのKPI設定!広告マネタイズにおける適切な設定方法とは?

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ウェブメディアの広告マネタイズにおけるKGI・KPI

KGIとは「Key Goal Indicator」、KPIとは「Key Performance Indicator」の略称です。

日本語では「重要目的達成指数」、「重要業績評価指標」と言われていますが、簡単に言うとKGIが目標を定量的に表す指標でKPIが目標を達成するための中間指標となります。この記事では、ウェブメディア側の視点から、広告マネタイズにおけるKGIとKPIについて、解説していきます。

メディアマネタイズの収益モデルとKPIの考え方について

メディアマネタイズの収益モデルは、大きく分けて以下の4つがあります。

  1. 広告収益モデル
  2. ネットショップ販売収益モデル
  3. コンテンツ/サービス課金モデル
  4. マッチングサービス(手数料)モデル

本記事では、1.広告収益モデルについて解説します。
広告収益モデルにおけるKGIは収入(売上)ですが、「PV(いかに多くの閲覧数を集められるか)」と「pRPM(いかに閲覧あたりの収入を上げることが出来るのか)」の2点が最も上位のKPIとなります。いずれかの視点が欠けていても、収益を最大化させることはできません。以降でこのKPIの考え方について解説します。

メディアにおける広告収益モデルのKPIツリーで考えてみる

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前述の通り、収入 = PV × pRPM これが収入を構成する最上位の要素です。正確にはpRPMというのは1000PVあたりの収入のことなので、収入 = PV × pRPM × 1000となります。PVをさらに分解してみると、PV=セッション数×回遊率(PV/セッション)となります。PVを増やすためには、セッション数(ユーザーがウェブサイトにアクセスした回数)を増やすか、回遊率(セッションあたりのPV数(PV/セッション))を上げる必要があるということになります。

このようにKGIを構成する要素を計算式で分解して、KPIのロジックツリーで整理することで、今どの数値に課題があるかを分析しやすくなります。

更にKPIを構成する要素を分解していくと、セッション数は、自然検索やソーシャル、外部リンク、メール、ブックマーク、ウェブプッシュ通知、広告等様々な流入数の合計。もう一方の回遊率は、ページ内の誘導枠、記事を一覧でレコメンド表示する枠、コンテンツをランキング表示する枠から他ページに遷移する率の合計となります。

KPIを細分化していくことで、例えば検索流入が下がってきている、ソーシャルからの流入がほとんど無い等の各KPIを改善する為の打ち手が見えてきますし、どの施策の数値が重要なのか、注力すべきKPIが見えてきます。以降は、ウェブマネタイズの状況や打ち手を考える際に使える、KPIについて解説していきます。

メディアにおける広告マネタイズのKPI一覧

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RPM(Revenue Per Mille)、pRPM、pvRPM、PVベースRPM

RPMは1000PVあたりの収入を表し、ウェブサイトの収入効率を評価する為の最上位の指標です。PVベースRPMやpvRPM、pRPMと書く場合もありその方が指標の意味を正しく表現していますが、業界慣習的に簡易的にRPMと表記しているケースが多く見られます。CPMと混同されがちですが、CPMとは異なる指標です。なお、Milleはラテン語で「1,000」という意味です。

pRPM = imp/PV × CPM(iRPM)に分解することが出来ます。

imp/PV

imp/PVはその式の通り、PVあたりのimp数を表す指標です。
ページが1回閲覧されるたびに広告が何回表示されているかという広告表示効率を評価する為に使用します。
imp/PV = 広告リクエスト/PV × imp/広告リクエスト(フィルレート)に分解することが出来ます。

広告リクエスト/PV

広告リクエスト/PVはその式の通り、PVあたりの広告リクエスト数を表す指標です。
ページが1回閲覧されるたびに広告が何回リクエストされているかという広告リクエスト効率を評価する為に使用します。

広告リクエストとは、広告配信サーバに対して広告表示をする機会があることを伝えて広告を呼び出すアクションのことです。
広告リクエスト/PV = 広告リクエスト/枠数 × 枠数/ページに分解することが出来ます。

広告リクエスト/枠数

広告リクエスト/枠数はその式の通り、1枠あたりの広告リクエスト数を表す指標です。
1枠に対して広告が何回リクエストされているかという広告リクエスト効率を評価する為に使用します。
この値が低いと広告リクエストが正しくされていない可能性があります。広告タグの実装が正しいか、アドサーバの設定が正しいか等を確認します。

広告枠の再読込(広告再リクエスト、広告リフレッシュ)をすることで、広告リクエスト/枠数を上げることが出来ますが、実際にユーザーに見られていない状態で広告枠の再読込をすると、効果の無い広告表示とみなされ、入札単価が下がったり、入札自体が減ったりといった可能性がある為注意が必要です。逆にユーザーが見ている状態での広告枠の再読込は非常に有効で広告リクエスト効率が上がるだけでなく、確実に見られているタイミングで広告が配信されることで高単価の広告配信を増やすことが出来ます。

枠数/ページ

枠数/ページはその式の通り、1ページあたりの広告枠数を表す指標です。
1ページに対して広告枠がいくつ設置されているかという広告枠の多さを評価する為に使用します。

サイトの作りやコンテンツの性質、ユーザーの動き、枠の設置の仕方によって適切な値は変わりますが、4~8くらいが一般的です。

この値が低いと枠数が少なすぎることになります。また逆にこの値が高過ぎると、つまり広告枠数が多すぎると広告の表示速度が遅くなったり、コンテンツ自体の表示速度が遅くなるということが懸念される為、枠数を減らしたり、LazyLoading等により速度遅延への対策を行うといった施策が有効です。

広告表示速度の改善については、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

imp/広告リクエスト、フィルレート、フィル率、coverage

imp/広告リクエストは、フィルレート、フィル率、coverageとも言われ、広告リクエスト1回あたりの広告表示回数を表す指標です。

1回の広告リクエストに対して広告が何回表示されているかという広告表示効率を評価する為に使用します。

この値が低い場合の要因は以下のようなものがあります。

  • 広告枠の評価が低く入札されないリクエストがある
  • フロアプライス(最低入札単価)の設定が高すぎる
  • 広告が表示される前にページから離脱もしくは次のページに遷移している
  • 広告タグの実装にトラブルがある 等

これらの要因に対し、以下のような対策が考えられます。

  • 広告枠の評価を上げる為に見られやすい枠位置やサイズに変える
  • フロアプライスを下げる
  • 広告表示速度を早くする
  • すぐに離脱/ページ遷移されにくいコンテンツにする
  • 広告タグを正しく実装する
  • フィラー広告を配信する 等

CPM(Cost Per Mille)、iRPM、impRPM、impベースRPM

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CPMは広告1000impあたりの収入を表す指標です。1回の広告表示に対しての平均単価を評価する為に使用します。CPMは元々文字通りコスト効率を表す指標なので広告主側で使われるものです。メディアマネタイズの観点ではimpベースRPMやiRPM、impRPMと表記するのが正しいのですが、業界慣習的にCPMという表記が多く用いられます。ちなみに広告主側のCPMから、DSPやSSPに手数料が引かれてメディア側のCPMになる為、同じ広告についてのCPMでも広告主側とメディア側で数値が異なります。クリック単価を表すCPCも同様です。

CPMは広告枠によって大きく異なることや、imp/広告リクエスト(フィルレート)が低い場合はCPMが高くても収入が増えないことから、ウェブサイトの収入効率をCPMだけでは評価出来ないことに注意が必要です。必ずimp/PVやその下位指標であるimp/広告リクエスト(フィルレート)とセットで見るようにしましょう。

CPM(iRPM) = CPC(クリック単価)×CTR(クリック率)に分解することが出来ます。

CPC(Cost Per Click)

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CPCは広告1クリックあたりの収入を表す指標で、クリック単価とも言われます。
この数値が決まる要因には以下のようなものがあります。

CV(コンバージョン)率

広告をクリックしたユーザーが広告によって商品購入や会員登録等のコンバージョンを発生させる率です。

入札によるオークションプレッシャー

DSPからSSPを経由して広告の入札が行われますが、Header Biddingを導入することでさらにHeader Biddingに参加するSSP同士の入札が行われる為、オークションプレッシャーが強まります。

フロアプライスの最適化

広告の最低単価(フロアプライス)を設定することで、広告が安い単価で配信されるのを防ぎます。フロアプライスが高いとimpが減り、低いとCPMが下がる為、最適な単価を設定する必要があります。枠別やOS別、日別で最適なフロアプライスが異なります。

認知効果、ブランディング効果

認知やブランディングを目的とした広告は、CPCでは広告を評価せず、認知やブランディング効果によって評価します。その為、CPCが高くなる傾向があります。動画やサイズが大きい等視認性の高い広告枠がよく利用されます。

フロアプライスの基本については、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

CTR(Click Through Rate)

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CTRは広告のクリック率を表す指標です。

クリック率が高い枠は視認性の高い枠が多く、コンテンツとのバランスを考慮した枠位置が非常に重要となります。クリック率は0.01%~数%と枠により大きく数値が異なります。クリック率が高すぎると誤クリックが多く含まれている可能性が高く、結果的に広告主側のCV率が低くなることで、CPCが低くなる傾向があります。

著者(writer)
Manegica 事務局

「goo」や「dmenu」をはじめとしたメディアに対して、マネタイズ運用の支援を実施しています。長年のメディア運営によって培ったノウハウや、自社で開発したソリューションを活用し、メディア収益の最大化を実現します。

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