アプリマネタイズの基本
アプリマネタイズとは
アプリマネタイズと聞いてどのようなものを思い浮かべたでしょうか?
ゲームへの課金、動画のサブスクリプションや漫画の有料コンテンツなどを思い浮かべる方が多いとは思いますが、他にもアプリ内広告による収益化といったアプリマネタイズの方法があります。
アプリ内広告は、一口にバナーの広告を掲載するというだけでなく、動画広告を視聴することで、ゲームへの課金の代替に利用されたり(広告視聴でゲーム内で使えるアイテムプレゼントなど)、有料でコンテンツを見せる代わりに動画広告を見たらコンテンツを見れるようにしたりと、様々な広告の見せ方があります。
本記事ではそんな「アプリ内広告による収益化」についてお話をさせて頂きます。
アプリマネタイズの手法:広告フォーマット編
冒頭では、バナー広告や動画広告など様々な広告の表示形式について簡単に触れましたが、実際にはどのようなフォーマットがあるのでしょうか?
以下に代表的なフォーマットを解説していきます。
バナー広告
アプリ画面内へ定型サイズのバナー広告を掲載することでマネタイズを行います。WEBサイトでは一般的なマネタイズ手法であり、WEB広告を代表するフォーマットです。
一般的にはサイズが大きくなればなるほど高い広告単価(CPM)で掲載されます。中でも、アプリ(アプリにかぎらずスマホサイト全般)で多く見かけるのが後述するオーバーレイといわれる表示形式となります。
オーバーレイ広告
アプリ画面をスクロールしても表示され続ける広告フォーマットです。アプリ内のコンテンツレイアウトを変更することなく、画面下部もしくは上部へ固定されて表示される形式のため導入のハードルが低いことが特徴です。
また、常に表示されていることからビューアビリティ(視認率)が高く、CTRも高いため、高い広告単価になりやすい傾向があります。
動画リワード広告
広告を閲覧することでユーザーにとって特典(リワード)を提供する広告フォーマットです。動画は主に15秒か30秒の動画が掲載されます。
アプリ提供者/デベロッパーにとっては非課金ユーザーに対するマネタイズ手段として用いられています。ユーザーにとっては課金することなくポイントやコンテンツが手に入るため両者にとってメリットのあるフォーマットに感じられますが、広告の質が低いとユーザーの離脱を招いてしまうケースもあります。
インタースティシャル広告
動画リワードと同様にアプリ画面の全体を使って動画や静止画を掲載するフォーマットです。表示スペースが広いことで単純に情報量も多く高いビューアビリティが保たれます。
上記のことから広告単価も非常に高く、CPMでは1,000円以上となるケースも見受けられます。ユーザーに特典を提供する動画リワードよりもCPMが高い傾向があります。
ただし、画面の全体に表示されるためユーザーにとっての利便性を損なう可能性が大きく、高い収益性は得られるものの多用してしまうとユーザーの離脱に繋がりかねない諸刃の剣となるフォーマットです。
ユーザーへの悪影響軽減のために、1ユーザーへの表示回数(フリークエンシー)制限やインタースティシャル広告の表示タイミングなど、工夫が必要です。
商品購入、ゲームクリア、記事から記事一覧へ戻るなどの何らかの行動完了後に表示します。
ネイティブ広告
名前の通り、アプリコンテンツのデザインと違和感の少ない形で広告導入を行うフォーマットです。アプリコンテンツになじませての導入が可能なため、ユーザーの抵抗が少ないことが特徴です。
先に紹介したバナー広告と比較すると、フォーマットの柔軟性が高いためアプリデザインやレイアウトへの影響が小さく、アプリのバランスを崩さずに収益化が可能です。
柔軟性や自由度が高い半面、バナー広告と比較すると「正解となるパターン」を見つけることが難しく広告単価が低くなることが多くあります。また、オーバーレイ広告と比較するとコンテンツに即したデザインになるまでデザイナーやエンジニアとの調整が必要となり、導入のハードルがやや高くなります。
アプリマネタイズの手法:アドテクノロジー編
メディエーション
アプリマネタイズを行う上で、アプリ内広告による収益化に必須なのがアドテクノロジーの存在です。その中でもアプリ独自の文化で形成されているのがこのメディエーションの機能です。
なかなか聞き慣れない単語のため、Google公式より以下を引用してきました。
アプリに広告を配信するすべての広告ソースを1か所で管理できるAdMobの機能です。メディエーションを使用すると、届いた広告リクエストを複数の広告ソースに送信し、使用可能かつ最適な広告ソースを確実に見つけて広告を掲載することができます。
上記の文章をもう少し補足していきます。
アプリ内広告にアドネットワーク事業者1社を導入するだけでは、競争があまり働かない為、より多くのアドネットワーク事業者を競争させて広告単価を上げることが出来るのが、メディエーション機能です。Google Ad ManagerやAdMob、AppLovin等で搭載されています。
メディエーションを利用することで1広告リクエストに対して、複数のアドネットワークからの買付金額を過去実績から自動で計算し、最も高い単価となるであろう事業者からの広告を配信することが可能となります。
ヘッダービディング(Header Bidding)
アプリ内で複数の広告ネットワークを競合させることで広告単価を最大化します。メディエーションと似ていますが、1広告リクエストに対してHeader Biddingに参加している事業者(Bidder)が入札にきた金額で広告オークションが開催されます。
メディエーションでは過去実績をもとに判定されていたものがリアルタイムな入札単価となるため、より確実に単価が高い広告が配信されるようになり、競争も強まることで広告単価が向上します。非常に優秀な機能ですが、導入するためにはGoogle Ad Manager等のHeader Biddingに対応したアドサーバーが必要です。
Header Biddingについては、以下の記事でもご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。
メディアが広告による収益性を向上するための標準装備とも言えるHeader Bidding(ヘッダービディング)について解説します。 Header Bidding(ヘッダービディング)の基本 Header Bidding(ヘッダービディング)の仕組みは? その名のとおり、ウェブサイ...
タグ配信
Google Ad Managerの機能のひとつとして、広告申込情報のクリエイティブにアドネットワーク事業者の広告タグを設定することで、アプリでも広告を表示することができます。
この機能では、SDKを導入せずにアドネットワーク事業者の広告を配信できるメリットがあります。